Connections
思想の系譜
身体論は一直線には進まない。ここでは主要な流れをいくつかのルートとして示す。 ただし「歴史的に直接影響した」ことと「後から見ると似た問題を扱っている」ことは別のものとして扱う。 矢印に付いたラベルがその区別を示している。
Affect / Emotion
感情と身体
身体の能力の変化としてのアフェクトから、内受容感覚と予測処理まで。感情を身体の側から捉える400年の系譜。
- スピノザ
- →アフェクト/情動
- →応答・継承ニーチェ
- →概念的並行ウィリアム・ジェームズ
- →ダマシオ
- →内受容感覚
- →批判リサ・フェルドマン・バレット
- →能動的推論
- ウィリアム・ジェームズジェームズがスピノザを直接引き継いだわけではない。身体から感情を捉えるという問題設定が重なる。
関係の種類でみる
サイト全体に記録された人物間の関係を、種類ごとに並べたもの。
直接影響
歴史的に直接読まれ、受け継がれた
- ガレノス→イブン・スィーナー確度 high『医学典範』はガレノス医学をアリストテレス哲学と結び、体系として整えた。
- イブン・スィーナー→ガレノス確度 high
- イブン・スィーナー→アリストテレス確度 high
- ヴェサリウス→ウィリアム・ハーヴェイ確度 high
- ウィリアム・ハーヴェイ→ヴェサリウス確度 high
- ダーウィン→ウィリアム・ジェームズ確度 high
- ダーウィン→デューイ確度 high
- ウィリアム・ジェームズ→ダーウィン確度 high
- ウィリアム・ジェームズ→ダマシオ確度 highダマシオは自らの仮説をジェームズの現代版として明示的に位置づけている。
- ウィリアム・ジェームズ→デューイ確度 high
- ニーチェ→フーコー確度 high系譜学の方法と、身体に刻まれる歴史という発想を受け継いだ。
- シェリントン→ベルンシュタイン確度 medium
- シェリントン→メルロ=ポンティ確度 medium『知覚の現象学』は当時の神経生理学・神経学の症例研究を広く参照している。
- ベルクソン→メルロ=ポンティ確度 medium
- デューイ→ウィリアム・ジェームズ確度 high
- デューイ→ダーウィン確度 high
- フッサール→ハイデガー確度 high
- フッサール→メルロ=ポンティ確度 high未刊だった『イデーンII』の草稿をルーヴァンで読んだことが決定的だった。
- フッサール→ヴァレラ確度 medium
- ヘッド/ホームズ→シルダー確度 high
- ヘッド/ホームズ→メルロ=ポンティ確度 high『知覚の現象学』の身体図式論はヘッドの概念を直接引き受けている。
- シルダー→ヘッド/ホームズ確度 high
- シルダー→メルロ=ポンティ確度 medium
- ハイデガー→メルロ=ポンティ確度 high
- メルロ=ポンティ→フッサール確度 high
- メルロ=ポンティ→ハイデガー確度 high
- メルロ=ポンティ→ヘッド/ホームズ確度 high身体図式の概念を神経学から引き受けた。
- メルロ=ポンティ→ヴァレラ確度 high
- フーコー→ニーチェ確度 high
- ダマシオ→ウィリアム・ジェームズ確度 high
- ヴァレラ→メルロ=ポンティ確度 high
- ヴァレラ→フッサール確度 medium
応答・継承
この人物の問題設定に応答している
- ウィリアム・ハーヴェイ→デカルト確度 highデカルトは循環論を受け入れつつ、心臓の運動の説明については独自の熱理論を主張し、ハーヴェイと対立した。
- デカルト→ウィリアム・ハーヴェイ確度 high
- ニーチェ→スピノザ確度 medium「私には先駆者がいた」と書いたが、読解は二次文献を介したものだったとされる。
- ベルクソン→ウィリアム・ジェームズ確度 high相互に読み合い、書簡を交わした。
- ハイデガー→フッサール確度 high
- ベルンシュタイン→シェリントン確度 medium反射の連鎖として運動を説明する見方の限界を示した。
- 湯浅泰雄→メルロ=ポンティ確度 high
- 市川浩→メルロ=ポンティ確度 high
- アンディ・クラーク→ギブソン確度 medium
- アンディ・クラーク→カール・フリストン確度 high予測処理を哲学的に整理し、広く読まれる形にした。
- カール・フリストン→アンディ・クラーク確度 high
批判
批判的に取り上げている
- プラトン→アリストテレス確度 highアリストテレスは魂を身体から分離せず、生きた身体の形相として捉え直した。
- アリストテレス→プラトン確度 high魂を身体から独立した実体とみなす師の構図を退け、両者を質料と形相の関係として捉え直した。
- ガレノス→ヴェサリウス確度 highヴェサリウスは直接解剖に基づき、ガレノスの記述の多くが動物解剖に由来する誤りであることを示した。
- ヴェサリウス→ガレノス確度 highガレノスの記述の多くが動物解剖に基づくことを示した。
- デカルト→スピノザ確度 highスピノザは二実体の相互作用という前提そのものを退けた。
- デカルト→メルロ=ポンティ確度 high『知覚の現象学』は、身体を対象としても機械としても捉えない第三の道を示す試みである。
- デカルト→ダマシオ確度 high『デカルトの誤り』は理性と情動の分離を批判したが、デカルト解釈としての妥当性には異論もある。
- スピノザ→デカルト確度 high二実体の相互作用という前提そのものを退けた。
- ダーウィン→リサ・フェルドマン・バレット確度 highバレットは情動の普遍的表出という前提を、構成主義的情動理論の立場から批判している。
- メルロ=ポンティ→デカルト確度 high
- フーコー→メルロ=ポンティ確度 medium現象学的な主体を出発点とすることを退けた。
- フーコー→ヴェサリウス確度 medium『臨床医学の誕生』は、中立的な観察に見える医学的まなざしの歴史的成立を問題化する。
- ダマシオ→デカルト確度 high書名の批判対象は、後世に単純化されたデカルト像であるという指摘もある。
- ダマシオ→リサ・フェルドマン・バレット確度 mediumバレットは身体状態と情動カテゴリの対応をより緩やかに捉える。
- リサ・フェルドマン・バレット→ダーウィン確度 high
- リサ・フェルドマン・バレット→ダマシオ確度 medium
概念的並行
直接の影響関係ではなく、似た問題を扱っている
- プラトン→デカルト確度 medium身体を魂から切り離す発想は共有するが、デカルトの二元論は実体概念と機械論に基づく別種の議論である。
- アリストテレス→ヴァレラ確度 medium生命と認知を連続的に捉える点で問題設定が近いが、歴史的な直接影響とは区別される。
- イブン・スィーナー→デカルト確度 medium「空中人間」とデカルトのコギトは構造が似るが、直接的な系譜関係は確定していない。
- スピノザ→ニーチェ確度 mediumニーチェはスピノザに自らの先駆者を見出したが、読解は限定的であった。
- ウィリアム・ジェームズ→スピノザ確度 medium身体の変様から感情を捉える点で近いが、形而上学的な枠組みは大きく異なる。
- シェリントン→ヘッド/ホームズ確度 highほぼ同時期に、神経学の側から身体図式の概念が形成された。
- ベルクソン→ギブソン確度 medium知覚を行為可能性の観点から捉える点は近いが、直接的な影響関係ではない。
- デューイ→ギブソン確度 medium有機体-環境を単位とする点で問題設定が重なるが、直接の師弟関係ではない。
- デューイ→ヴァレラ確度 medium
- ヘッド/ホームズ→シェリントン確度 high
- ハイデガー→アンディ・クラーク確度 medium道具の透明化という主題は共有されるが、拡張された心のテーゼはハイデガーの議論とは前提が異なる。
- ベルンシュタイン→ギブソン確度 mediumニューウェルらによって両者は制約主導アプローチとして統合された。
- ギブソン→デューイ確度 medium
- ギブソン→メルロ=ポンティ確度 medium
- ギブソン→ヴァレラ確度 mediumエナクティヴィズムとの関係は継承であると同時に論争でもある。
- ギブソン→ベルンシュタイン確度 medium
- メルロ=ポンティ→ギブソン確度 medium知覚と行為の不可分性を共有するが、方法も語彙も異なる。
- 湯浅泰雄→市川浩確度 high
- 市川浩→湯浅泰雄確度 high同時期の日本語圏で、東洋的心身論と現象学を接続する仕事を並行して進めた。
- レイコフ/ジョンソン→メルロ=ポンティ確度 medium
- レイコフ/ジョンソン→ヴァレラ確度 medium
- ヴァレラ→ギブソン確度 medium表象主義批判を共有するが、情報の直接ピックアップという主張には批判的である。
- ヴァレラ→カール・フリストン確度 medium自己維持を軸にする点は近く、近年は能動的推論とエナクティヴィズムの接続が論じられている。
- アンディ・クラーク→ハイデガー確度 medium
- アンディ・クラーク→メルロ=ポンティ確度 medium
- カール・フリストン→ヴァレラ確度 medium
- カール・フリストン→リサ・フェルドマン・バレット確度 high構成主義的情動理論は、内受容の予測という発想を共有する。
- リサ・フェルドマン・バレット→カール・フリストン確度 high
再解釈
別の文脈で読み直している
- 貝原益軒→湯浅泰雄確度 medium湯浅は東洋の修行・養生の伝統を、現代の心身論として読み直す文脈で扱った。
- スピノザ→ダマシオ確度 highダマシオはスピノザを情動の神経科学の先駆として読み直した。
- 湯浅泰雄→貝原益軒確度 medium
- ダマシオ→スピノザ確度 high
- リサ・フェルドマン・バレット→ウィリアム・ジェームズ確度 high