二つの記述
科学の側から。ベルンシュタインは、身体の自由度が制御可能な数をはるかに超えていることを指摘した。答えは協応構造——多数の自由度が課題に応じて機能的にまとめられる。ケルソー、テーレン、ニューウェルがこれをダイナミカルシステムズと制約主導アプローチへ展開した。
現象学の側から。メルロ=ポンティは、ドアノブに手を伸ばすとき私たちが関節角度を決めていないことに注目した。身体はすでに世界へ向かっている。これが運動志向性である。
実務への含意
この二つの記述は、実務において同じ方向を指す。運動学習は同じ動作の反復ではなく、変動性を含む練習によって促される。言語による直接指示よりも、環境と課題の制約を操作するほうが有効な場合がある。
このテーマは、身体化認知のなかでもとりわけ堅実な系譜である。再現性の打撃を受けておらず、理学療法・トレーニングの現場で現役の理論的基盤として機能している。