身体論としての読みどころ
第三部定理二の備考は、身体論において最も引用される一節のひとつである。私たちは身体が何をなしうるかを知らない。夢遊病者が覚醒時にはできないことをする例が挙げられる。
この「能力の未知性」という主題は、ドゥルーズを経由してアフェクト理論へ、そして間接的には、身体の可能性を開こうとする現代の実践(身体教育、リハビリテーション、トレーニング)の思想的背景へと流れ込んでいる。
身体論として重要な箇所
- 第三部定理二備考:「身体が何をなしうるかを、誰もいまだ規定していない」。身体の能力の未知性を強調する有名な一節。
- 第二部定理七:観念の秩序と連結は、物の秩序と連結と同一である(心身並行論)。
- 第三部:コナトゥス(自己保存の努力)から情動を導出する体系。
読むべき章
- 第二部(心の本性)と第三部(情動の起源)が身体論として中心。
- 定義・公理から順に読むより、備考(scholium)を拾い読みすると論旨がつかみやすい。
日本語訳
- エチカ / 岩波文庫、中公クラシックスなど複数