身体論としての読みどころ
身体は自然の与件ではない。ある時代のある制度のなかで、身体がどう分節され、何が正常とされ、どんな動作が要求されるか——それらは歴史的に作られている。
健康を管理し、数値化し、自己責任として個人に帰す現代の枠組みは、しばしばこの書の語彙で分析される。ただしこれは「健康増進は悪だ」という主張ではない。善意の介入もまた特定の権力の形式であり、それが何を正常とし何を逸脱とするかを問う必要がある、ということである。
身体論として重要な箇所
- 公開処刑の記述から始まり、時間割による規律へ移る構成。権力の技術の変化を示す。
- 「従順な身体(corps docile)」——役に立ち、かつ服従する身体を作る技術としての規律。
- パノプティコンの分析。監視の視線が内面化される仕組み。
読むべき章
- 第三部「規律・訓練」が身体論として中心。
日本語訳
- 監獄の誕生 / 田村俶訳 / 新潮社