身体論としての読みどころ

10ページ足らずの論文が、認知の境界をめぐる論争を四半世紀にわたって駆動している。

身体化認知は「認知は脳だけでなく身体に依存する」と言う。この論文は「では身体はどこで終わるのか」と問い返す。ハイデガーの道具の透明性、メルロ=ポンティの杖の分析、ヘッドの身体図式の可塑性——いずれも境界が固定されていないことを指摘してきたが、それを認知の構成についての明示的なテーゼにした点が新しい。

アダムズとアイザワによる「結合–構成の誤り」の批判も併せて読むとよい。

身体論として重要な箇所

  • オットーとインガの思考実験。記憶障害のあるオットーのノートは、インガの記憶と同じ機能的役割を果たしているのではないか。
  • 同等性原理(parity principle)の定式化。