身体論としての読みどころ

この本によって、感情の科学的研究が可能になった。感情は心の奥にある何かではなく、身体に現れる観察可能な現象として扱われる。ウィリアム・ジェームズの情動理論も、この土壌の上に育っている。

ただし「情動には普遍的な表出のパターンがある」という主張は、現在では強い批判を受けている。バレットらの2019年の大規模レビューは、表情から情動を読み取れるという前提に十分な根拠がないと結論した。ダーウィンの問い自体は生きているが、答えは書き換えられつつある。

身体論として重要な箇所

  • 怒りの歯のむき出しを、咬みつく動作の名残として説明する箇所。
  • 各国の宣教師・旅行者へのアンケート、盲児の観察により、表情の一部が文化を超えて共通することを示そうとする方法。

日本語訳

  • 人及び動物の表情について / 浜中浜太郎訳 / 岩波文庫